【レビュー】【漫画】重い話だけど重い気分にはならずに読める「透明なゆりかご」(沖田)

実は毒親本な部分もある漫画。

毒親育ちのその後は本当に救いがない。

そして、毒親を作った背景を考えると、今の少子高齢化の背景と通底する。

 

女は産む機械である。跡継ぎ(男児)を生まなければならない。産めない女を見下す。「デキちゃった」場合に男が逃亡するケースがままある。

 

広く生き物全体に視線をやると、妊娠出産後は雄はフェードアウト、そもそも家族の概念がない、という生き物はいなくもないように思うけれど。

それって、成体になるまでのコストがかからない種ばかりだし。

つまり、割かし複雑な種…動物園にいる哺乳類なんかでも、赤ちゃんは産まれて間も無く歩き出したり、妊娠期間はヒトより短かったり。まして、食えるようになるまでに、洋服着て学校に行かなきゃならないのは、当然ヒトだけだし。

ある程度社会全体とか集団で育児コストを負担しなければ成り立たないのは自明なのに。

自明でないと言い張るなら、

妊娠・出産・育児は勝手にメスが単独でやってろということになれば、

どうなるか…

かくして我が国は少子高齢化で滅びに向かっているわけだ。

 

この漫画でも、どうして母親だけが負わなければならないのか、そういう嘆きが繰り返される。

出てくるエピソードはどれも不幸にまみれているけど、不快感なく、読後に前向きな気持ちにさせてくれるのがすごい。

母性信仰信者なのかなというところだけが私の趣味とは合わないけれど、ドギツイものではないので、個人的にも平穏な気持ちで読めた。

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